理事長所信
Belief
一期一会

はじめに
川西市は平安時代に源満仲が多田盆地に移り住み、武士団の拠点を形成したことから清和源氏発祥の地として現在に語り継がれております。
猪名川町は奈良時代に東大寺の大仏を建立する際に使われたと伝えられる多田銀銅山跡や県立自然園に指定された猪名川渓谷があり、数々の歴史ある建造物や大自然と共存しております。
歴史ロマン溢れる川西市・猪名川町には近隣都市にも決して劣らない魅力があることから、我々青年世代が社会の核となり、官民一体となって地域の活力を向上させる、地域資源を活用したまちづくりが必要です。
人口減少、少子化という避けられない社会的課題に直面している今、我々のまちでは生産活動の中心にいる人口層の転出が顕著であり、地方自治への参画意識が低下している現状であることから、愛郷心を培う運動を展開しなければなりません。
社会の変革期だからこそ、我々青年世代が率先して能動的に行動し、我々に関わるあらゆる時間や出来事に感謝する心を持つことが出来る人財を創出する必要があります。
一般社団法人川西青年会議所は昨年55周年の節目を終え、本年度は創立56年目の新たな第一歩が始まります。
アフターコロナの新時代に向かい歩みを進めていく中で、これまで地域づくりに尽力してこられた先輩諸氏の取り組みや熱い想いと、自身の成長や仲間の成長に対して時間や労力を惜しまない精神を受け継ぎ、地域から求められ、頼られる団体で在り続け、活気あふれる住み暮らしやすいまちづくりを実現することこそが我々の責務であると捉え、笑顔溢れるまちづくりを邁進して参ります。
まちについて
我々の運動拠点である川西市・猪名川町は、大自然に恵まれたベッドタウンとして栄え、近年では新名神高速道路川西ICの開通により利便性が向上し、交流人口増加につながる環境は整っております。
しかし生産年齢人口の減少が進み、地域の担い手不足によるコミュニティの共助機能の低下や、住民の地域活動への参画意識が低下する中、新時代を生き抜く強い地域を創るのはそれぞれの地域の人の力が必要不可欠であることから、住民が地域活動に能動的に参画し、まちを愛し誇りを持って地域創生に向けて取り組まなければなりません。
まずは、自然環境と共生するまちづくりを先導していく中で、行政や各種団体とのこれまでの関係性に感謝しつつ、より効果的な運動を展開していく基盤づくりが重要であり、我々の一年間の行動指針を理解していただき、協働してまちづくりに取り組む体制を整えます。
そして地域のブランド価値を高めるには、地域住民が地域資源への認識を深め、一人ひとりがまちづくりを我が事と捉えることで、まちへの関心が高まり愛郷心を育みます。
人が育てばまちは必ず成長し、未来を創る人達がより多くの共感者を生みだし、持続可能なまちづくりが実現されます。
自分達が住み暮らすまちづくりを誰かがやってくれることを待つのではなく、自らが先頭に立ち、自分自身が地域の魅力の一つとならなければなりません。
地域に目を向け、地域の課題解決に向けて当事者として取り組むことのできる人財が一人でも多くなることで、地域ブランドは高まり、まちが活性化され唯一無二の魅力ある川西市・猪名川町となります。
青少年育成について
近年ICT化による社会の情報化が加速度的に進展しており、家庭教育・学校教育は2005年を境に劇的に変化を遂げ、必要な情報がすぐに手に入り便利になる一方で、誤った情報が氾濫し子供たちは常に危険に晒されているという認識を持たなければなりません。
子供たちは何事にも純粋な一方、何色にも染まりやすく、子供たちが生来の純粋さを失うことなく成長し様々なことに挑戦できる環境を整え、青少年の健全育成に努める必要があります。
子育てとは未来の日本を支える人財を育てる重要な営みであり、現代の子育てをめぐる社会状況を踏まえると、子育て家庭の支えとなる温かい地域社会をつくっていくことが必要となることから、子供は社会の宝として、社会全体が青少年育成に取り組むことが求められていると考えます。
まずは、子供たちが夢をもち大きく成長するには、子育て世代や地域の大人たちの協力が必要であり、子供一人ひとりの選択肢を増やすことで、意思決定の責任感が芽生えます。
会員が次世代を担う人財を育むことの根幹には、身近な家族からの協力がなくては実現が叶わず、家族への運動に対する理解を深めることで、青少年育成への一助とします。
そして、青年へと成長するにあたり、様々な課題に果敢に挑む胆力を醸成するために、物事の善悪を判断できることが大切であり、情報収集やリスクヘッジの意識を養うことが必要です。
子供たちは夢を純粋に追い求めますが、挫折を経験することが多いのが現実であり、挑戦し続けるためには物事の本質や意義を見極めることの重要性を理解することで、光り輝く未来が切り開かれます。
子供たちが過ごしている環境すべてに感謝を忘れず、自身の夢に対し自信をもって積極的に取り組み、物事を多角的に捉える、地域の次世代の若きリーダーを持続的に創出する必要があると考えます。
会員研修・拡大について
全国の青年会議所には約26,000人の会員が在籍していますが、会員数は近年減少しており退会者や休会者が増加しています。
そして、入会してから卒業を迎えるまでの平均在籍年数が3年未満の会員が多く、川西青年会議所でも在籍年数の短い会員が増加しています。
会員の在籍年数が短いということを悲観することなく、青年会議所のこれまでの歴史からの更なる進化を遂げるチャンスだと捉え、今こそ青年会議所の新たな形を構築していくべきと考えます。
会員拡大はひとりで出来ることではなく、会員同士が切磋琢磨し、どのように共感者を生むことが出来るのかということを考え、組織全体で取り組まなければなりません。
青年会議所はまちづくりやひとづくりにとって最大の場であるからこそ、その場を活用し地域を牽引することこそが我々の責務であり、会員一人ひとりが青年会議所の本質を理解した上で、知人や地域の方に対し熱意をもって訴えることで、成長する機会が構築されると考えます。
会員拡大に必要なことは、会員一人ひとりが青年経済人として地域の先駆者として成長し、人に憧れられるほどの人財へと成長することです。
一つひとつの出来事を成長の機会と捉え自身を取り巻く環境に感謝を忘れず、仲間と共に成長する喜びを体現することで、自身の取り組みを他者へ自信をもって伝えることが必要だと考えます。
多くの学びや新たな人脈の構築が可能な青年会議所において、会員の成長速度が加速し、人財が成長の機会を余すことなく生かし持続可能な団体へと日々進化を遂げて参ります。
組織運営について
青年会議所は理事長を主とし、ピラミッド型に構成され秩序を重んじた組織であり「社会への奉仕」「個人の修練」「世界との友情」の三信条をもとに基本理念に基づいた運動を展開しています。
昨今では、会員の生活様式やライフスタイルの多様化に伴い、会議の効率化を推進して参りました。
青年会議所の組織としてのルールは大事です。決められたルールの中で、より良い方法を模索し修練を重ねることで自己成長に繋がるため、柔軟でありながらも規律を重んじることが組織運営の核だと考えます。
その中で、会員に成長の機会を提供し続け、力量に応じて家庭及び社業とのバランスを考え、一人ひとりに寄り添った組織運営が必要です。
SNSの多様化により発信の方法が大きく変化している中、年代に合わせた正確な情報の伝達を図り、JCIというグローバルネットワークのスケールメリットを発揮することで、各世代から支持され運動の波紋が効果的に広がります。
青年会議所には様々な学びの機会がありますが、日本中・世界中に広がる巨大なネットワークを活かした出向という制度によって、スケールの大きな事業構築を経験でき、青年経済人としての立ち振る舞いが習得できる機会となります。
地域の方々の絶え間ない笑顔をつくるためには、自身の時間の使い方・物事の優先順位・規律に対し、バランサーとして組織運営することで全てが整いより効果的な運動展開が可能になります。
未来を担う人財が、自身の成長を人に支えられていることに気付き、他者との関わり合いの中で磨いた個性が魅力となる、地域を担う未来のリーダーへと成長します。
誰一人として取り残すことなく、共に学び成長することこそが、組織にとって大切な人財へと成長し、地域にとって活性化の核となることで地域創生へつながると考えます。
結びに
川西青年会議所は56年もの間歩みを止めることなく、まちづくり運動やひとづくり運動を展開して参りました。
私は青年会議所に入会する以前、地域に対し不満をぶつけるが自分自身は何も行動に移さないような人間でしたが、川西青年会議所に入会して川西市と猪名川町について学び、地域の課題に目を向けることで愛郷心が芽生え、このまちをより良くしたいと心の底から切望するようになりました。
明るい豊かな川西市・猪名川町の実現に向け、2023年は一期一会のスローガンのもと、会員一人ひとりを取り残すことなく、一瞬一瞬を精一杯に輝き、失敗を恐れず、感謝を忘れず、「まちを愛し」「ひとを愛し」輝く人財へと成長致します。
【事業方針】
地域の最大の魅力となる人財の育成
全ての事柄に感謝する青少年の育成
他者へ影響をもたらす会員研修
10名の会員拡大
規律を重んじ現代に即した組織運営
一般社団法人 川西青年会議所 / 〒666-0011 川西市出在家町1番8号 川西市商工会館内 TEL.072-759-6959 FAX.072-759-0920